公演期間
2010年10月6日(水) ~ 2010年10月11日(月)
会場
下北沢駅前劇場
脚本・演出
古川貴義
出演
小野哲史 須貝英 爺隠才蔵
片桐はづき 原田優理子(トリのマーク(通称))
津留崎夏子(ブルドッキングヘッドロック)
ザンヨウコ(危婦人) 菅原功人(TEAM HANDY)
澤田慎司
井上裕朗
INTRODUCTION
こんにちは古川です。
気付かないフリしてたんですけど、箱庭円舞曲、実は結成10周年です。しれっと。
2000年9月に旗揚げし、同年の12月には公演を打っていたので、この秋、ちょうど10周年を迎えるわけです。
ここまで続けられたのはやっぱり、お客様や役者さん、劇団員やスタッフさんのお陰でも何でもなくて、僕のお陰だと思います。
単純に、僕が「気付かない奴」だったからに他ならないと思います。
だってもし「気付く奴」だったら、もっとお客さんの要望に応えるだろうし、役者さんや劇団員にも、もっと優しくしていたはず。
スタッフさんに愛想尽かされたりなんかせずに済んでいたと思うのです。
だから、本当に、自分が「気付かない奴」で良かった。幸せです。
もしその一つ一つに気付けるような繊細な人間だったら、こんなに続けられなかったはずです。
気付いていない僕を気付かせないでいてくださる役者さん、スタッフさん、劇団員、そしてお客様に、心から感謝申し上げます。
もう少し、もう少しだけ、気付かない奴でいさせてください。
何とぞよろしくお願いします。
いつものくだらない前説は今回で最後にしますから、どうか、何とぞ。
というわけで、今回は「気付かない人」のお話です。
痛みに気付かない人は、裂傷を負って血が出ていても気付かないため、そのうち失血死してしまうそうです。
これはとても不幸な話だけれど、痛みを感じなくて済むならば、ある意味幸せなんじゃないかと思います。
そう、気付かない方が、幸せなのかもしれない。
例えば、自分に才能が無いことに気付かない芸術家は、緩慢と作品を創作し続け、幸せな一生を過ごすことでしょう。
ただ、
彼らは、本当に気付いていないのだろうか?
本当は、自分の無能ぶりに気付いているのではないか。
しかし、それに気付かないフリをすることこそが、作品を創作する上での最高の才能であると気付いているのではないか。
一生を幸せに過ごす術だと知っているのではないだろうか。
どちらなのでしょう。
あなたは、気付かない人ですか?