箱庭円舞曲 第二十二楽章
旗揚げ十五周年記念公演
もっと美人だった
It’s far from hope,but my best life.
脚本・演出|古川貴義
公演期間|2015年11月4日(水) ~ 2015年11月9日(月)
会場|下北沢ザ・スズナリ(Google Map)
〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15
TEL:03(3469)0511
小田急線・京王井の頭線 下北沢駅 南口徒歩6分
STORY
―― 鐘の音がする。
町会議員だった夫は不祥事で議員辞職。
生まれ育った町にも居場所が無くなり、逃げるようにこの町に越してきた。
しかし、夫の不祥事は既に日本中が知るところとなっており、
この新天地でも、 3日もせぬうちに、
後ろ指さされる存在となってしまった。家族全員が。
それでも妻は懸命に、近隣住民とコミュニケーションを取ろうと試みる。
昔美人だった彼女には、ある秘策があった。
―― 鐘は、いったいどこから聴こえてくるのか。
この町には、寺など存在しないはずなのに。
INTRODUCTION
こんなはずじゃなかった。
もっと尊敬される大人になって、
もっと素敵な人と出会って、
もっと素晴らしい人生を謳歌して、
いるはずだった。
どこで間違えたのだろう。
幼い頃、わたしには夢があった。
将来、自分の家から見えるあの線路に新しい駅を作りたい。この小さな田舎町の片隅に人が溢れ、広がる田畑はデパートや遊園地に生まれ変わる。
ゆくゆくは、東京に匹敵する大都会になるだろう。
小学校、中学校、高校、たぶん大学時代まで、色々な夢を持っていた。
どんどん自分が洗練されて、みんなからモテモテで、仕事にも困らず、自分のやりたいことだけをして生活し、幸せな家庭を築き、縁側でお茶を飲みながら穏やかな老後を迎える。
不況、不祥事、犯罪、政治不信。弱い者いじめとディスコミュニケーション。
世界はいつも絶望に包まれていたけれど、それは身近だけど遠い話で、
少なくとも自分には、明るい未来しか訪れないと、そう、根拠もなく信じていた。
あれから30年以上過ぎた。
実家の近くには新駅などできていない。人が増えるどころか、過疎化の一途を辿っている。
最寄りのスーパーは潰れた。浅はかな夢は社会という現実に小指で打ち砕かれた。
自分に無関係だと思っていた絶望達から、今日も耳打ちされた。
「あなたはずっと、この中で泳いでいただけなんだよ」と。
時折、村上春樹の「35歳問題」が頭をよぎる。
「できたかもしれない過去(≒後悔)」と「できるかもしれない未来(≒希望)」を比較すると、前者の件数の方が確実に多い。
それでも、わたしは生きている。
あの頃の夢や希望は叶わなかった。尊敬されてもいないし、素敵な人と出会えてもいない。お世辞にも素晴らしい人生とは言えないかもしれない。今の私は美しくないかもしれない。
それでも、わたしは生きている。
それでも、わたしは生きていく。
これがわたしにとって、正しい選択だったのだ。誰が何と言おうと。
そんな風に強がる元・美人の話を、僕は聞き捨てた。
箱庭円舞曲 第二十二楽章
「もっと美人だった」
TICKET
前売:3,800円 / 当日:4,300円(全席指定席)
前半割引 前売:3,300円 / 当日:3,800円
2015年9月26日(土) 10:00前売開始
> ご予約はこちらから
SPECIAL STAGE
箱庭円舞曲 旗揚げ十五周年特別ステージ
もっと男前だった
主演:古川貴義
前売:2,200円 当日:2,700円(自由席)
公演日時:2015年11月6日(金)15:00
劇団取扱のみ。DM先行予約はありません。
STAFF
舞台美術:袴田長武(ハカマ団)
照明:吉村愛子(Fantasista?ish.)
音響:岡田 悠
音楽:modestock
舞台監督:鳥養友美
衣裳:中西瑞美(ひなぎく)
演出助手:木村恵美子(アマヤドリ)
宣伝美術:Box-Garden House
Web:小林タクシー(ZOKKY)
記録写真:鏡田伸幸
制作:林みく(Karte)
当日運営:新居朋子
企画製作:箱庭円舞曲
協力:黒色綺譚カナリア派 双数姉妹 PLAT-formance SoundCube
クリオネ イマジネイション フォセット・コンシェルジュ FORREAL
リベルタ インパクトワン アスタリスク ECHOES オフィスモノリス
INQUIRY
箱庭円舞曲
TEL:080-3435-3746
e-mail:mail@hakoniwa-e.com