公演期間
2013年8月30日(金) ~ 2013年9月1日(日)
会場
下北沢ザ・スズナリ
脚本・演出
古川貴義
出演
小野哲史 須貝英 片桐はづき
ザンヨウコ 和知龍範 久保貫太郎(クロムモリブデン)
白石廿日(ナイロン100℃)
神戸アキコ(ぬいぐるみハンター) 荒井志郎(青☆組)
うじすけ 小口ふみか
INTRODUCTION
君の正義は
私の正義ではなく
誰かの正義でもない
みんなの幸せを求めるフリをして
自分勝手な正義を振りかざすのはやめてくれ
お前のせいで
僕はいつだって憎まれ役だ
あなたは人を殺せますか?
たとえばそれが、自分が生き延びるためだったとして。
その人を殺さないと自分が殺されてしまうかもしれません。
しかし生き延びるためとはいえ、殺人は殺人です。
「殺されたくない」「生きたい」という欲求と、「人を殺してはいけない」という道徳。
はたしてどちらが正しいのでしょうか。
状況にもよるでしょう。相手にもよるでしょう。年齢にもよるでしょう。
正しさの基準なんて、所詮はこの程度です。
にもかかわらず今、世界には正義がはびこっています。
いつからでしょうか。重箱の隅をつつくように、みんなで挙げ足の取り合いを始めたのは。
攻撃対象を見付けては、袋叩きにしてばかりいる。
しかし悪気はありません。なぜなら、正義だからです。
みんなの敵を攻撃するのは、みんなの正義だからです。
そこに実態はありません。誰かに悪役を押し付けているという意識はありません。
善悪の判断も、道徳基準すらもありません。なぜなら、正義だからです。
正義は人によって違います。正義は人を高揚させます。正義は時に、人を殺します。
もちろんこれは、命を奪うという物理的な行為にかぎった話ではありません。
気付けば20回目の本公演。主宰として、脚本家として、演出家として、
一人の人間として、身勝手なことばかりしてきました。
それを「正義」などと思ったことはありません。
しかし。
僕は、人を、殺せません。
でも、殺されたくもありません。
さて、どうしたらいいのでしょうか?
箱庭円舞曲 第二十楽章
「僕にしてみれば正義」