ご挨拶(序文)
こんにちは古川です。
本日はご来場、誠にありがとうございます。
心から、感謝申し上げます。
今、やることだったんでしょうか。
・・・なんか、なんでしょうね。まいっちゃいますね色々。
考えてもくたびれることばかりなので、考えないようにすると、何も進まないし始まらないので、頑張って考えるのですが、考えてもくたびれることばかりなので、考えないようにすると、何も進まないし始まらないので、頑張って考える、のを繰り返しています。
いつものように長くなりそうなので、続きはこちらからどうぞ。
Place
都内にあるラーメン屋、「ラーメン多賀」店内。鷹山家の自宅も兼ねている。
Time
2020年冬、および過去
Cast
鷹山多賀雄:店主・・・・・・・・・林和義(箱庭円舞曲)
鷹山かん菜:店主の娘・・・・・・・白勢未生(箱庭円舞曲)
米沢宗喜:常連客・・・・・・・・・鈴木ハルニ(箱庭円舞曲/ゲキバカ)
武岡出:卸業者高井田商店社員・・・依乃王里(箱庭円舞曲/准劇団員)
美登サリー:元不動産会社社員・・・嶋村亜華里(箱庭円舞曲/准劇団員)
Staff
脚本・演出:古川貴義 舞台美術:稲田美智子 照明:瀬戸あずさ(balance,inc.DESIGN) 照明操作:三上彩菜(balance,inc.DESIGN) 音響:岡田 悠(One-Space) 舞台監督:鳥養友美・杉山小夜 記録写真:鏡田伸幸 映像配信:観劇三昧・川本啓 宣伝美術:Box-Garden House 制作:松本悠(青春事情)
企画製作:箱庭円舞曲
Special Thanks
ウィーズカンパニー クリオネ 東宝芸能 水天宮ピット マイド
木下早紀 日影可奈子 高橋美嵐 竹下好幸 津村恵美
飯塚なな子 及川晴日 鹿島夕雨生 佐藤みつよ 美玲
(順不同・敬称略)
Next
【箱庭円舞曲】
第二十八楽章『まだやれないことはない』(仮)
2021年秋 都内某劇場にて
【古川貴義】上演台本・演出
【嶋村亜華里】出演
conSept『サイドウェイ』原作:レックス・ピケット
2021年3月17日(月)〜25日(木)@東京芸術劇場シアターイースト
【白勢未生】
ウォーキング・スタッフ『岸辺の亀とクラゲ-jellyfish-』作 :牧田明宏 演出 :和田憲明
2021年3月6日(土)~3月14日(日)@シアター711
【鈴木ハルニ】
ゲキバカ『ローヤの休日』作・演出 柿ノ木タケヲ
2021年4月21日(水)〜25日(日)@中野ザ・ポケット
YouTubeチャンネル 非主流派のゆるちゅ〜ぶ
【林和義】
よみうりテレビ「江戸モアゼル」2話 2021年1月14日(木)
wowow「トッカイ」1〜4話 2021年 1月17日(日)〜
【依乃王里】
次回出演情報、SNSにて随時お知らせ
Twitter @owriyorino
アンケートはこちらから
ご挨拶(全文)
序文からの続きです。
2018年9月に育休宣言してから2年。
このお休みの期間中に、自分の中の何かが、果たしてちゃんと育ったのかどうかはわかりませんが、一つ明確になったことがあります。
それはとてもシンプルで、「自分が面白いと思う作品しか創らないこと」と、「この作品が最後の作品になっても後悔しないように全力を注ぐこと」の二つです。二つ、明確になっていました。どちらも両立はできるはずなので、実質一つです。
「後悔しないよう、全力で面白い作品を創ること」
これに尽きます。
そんな想いが明確になり始めたころ、白勢未生と話していたら鈴木ハルニが「劇団員になりたい、ただしゲキバカと掛け持ちで」と言ってくれて、じゃあハルニに入って貰って、劇団員を募集しよう、と言っていたら林和義が「俺はなれるの? 劇団員に俺はなる」と連絡をくれて、諸手を挙げて歓迎して、いざ募集、偉そうに書類選考や面談などをして、准劇団員として依乃王里と嶋村亜華里の二人を迎え、「よーし20周年記念公演、盛大にぶちかまそう!! 20周年記念ブックレットやノベルティグッズも作ろう! 写真も撮り直そう! テンション上げめで行こう!!!!」と盛り上がっていたところに直撃コロナ。やるかやらないか自体が危ぶまれる中、劇団員たちの心も落ち着かない中、『今はやることじゃない』という最高のタイトルが降ってきてしまったし、今はやることじゃないアイディアがみんなからどんどん湧き出てきたので、これはもう、誰か(たとえば国や、都や、劇場)に「演劇やめなさい」と言われない限りはやろう!と決着し、今日の晴れの日を迎えました。
こんなに、幕が開けられるかどうか不安だった経験はありません。芝居が出来上がってないとか小道具が完成していないとか、そういう、頑張れば解消可能な状況ではない、何とも言えない具体性のない匂い、雰囲気、そういうものに押し潰されるような不安感です。
しかしそれは、そう言えば、箱庭円舞曲でたくさん創ってきた空気じゃないか、と気付きました、今。
なんだよずっとやってたんじゃないか。得も言われぬ不安感やだからこそ笑ってしまう雰囲気、舞台上から漂う、人間関係の泥臭い薫り。この空気、面白がってきたじゃないか。
存分に、面白がってやりましょう。
演劇なんて、今はやることじゃない、と思ってしまうこともあります。
演劇だから、今こそやってやります、と思うようにして作り上げました。
新人たちは苦悩し、ベテランたちは苦闘しながら、スタッフたちも誠実に、『今はやることじゃない』に向き合ってくれました。
どうか、お楽しみいただけますと幸いです。
箱庭円舞曲 代表 古川貴義
今回、Webパンフレットとのことで、千秋楽までにちょこちょこ書き足していこうと思います。お暇な際にアクセスいただけますと幸いです。
(12/27追記)
直前の集中稽古から劇場入り、仕込みから初日が開けるまでは、いつものように、それはもう本当にいつものように、作品が仕上がっていく感覚でした。違うのはみんなマスクしてることと、飲みに行かないことくらいで。この時間、コロナウィルスの脅威は頭に微塵もなく、とても幸せな時間だったように思います。そうやって無事に折り返し日を迎えられたことがとてもありがたく、ご来場くださるお客様がとても尊く、舞台上で真に生きようとする俳優たちがとても輝いて見えました。やっぱり僕は、稽古場で作品を創っている時、劇場で公演の準備をしている時、そして客席にお客様を招いて上演している時に、この上ない喜びを感じています。今はただ、皆様の生に感謝するばかりです。