公演期間
2007年7月24日(火) ~ 2011年7月29日(日)
会場
渋谷 Gallery LE DECO 5F
脚本・演出
古川貴義
出演
五十嵐祭旅 山内翔 棚橋建太 小野哲史
須貝英 片桐はづき 太田みち
小松留美 野口雄介(神様プロデュース)
INTRODUCTION
自分はそんな人間じゃない。
仕事で失敗して。
「特技:ミス」とバカにされ。罵られ。
本当は違うんです、本当の私はこんな人間じゃない。 私にはやるべきことがあって、そっちが本当にやりたいことだから、 ここでの仕事なんてただの食い扶持稼ぎに過ぎないし、 だから別に何言われたって構いやしないんだけど、 それでもちょっとカチンと来たので、言いたい。
言う、言うわ。
私、やれば出来るんですよ。
でも。
自分の箱の中身がどうであれ、 周囲には外側しか見えていないんですよね。 つまり、自分の人間性は自分自身が作り上げるものではなく、 周囲から見た印象で決まっているんです。
当たり前ですが。
そこを、はき違えてはいけない。
自分の箱の中身を熱心に耕し、土を肥えさせ、
見事な庭を構築する。
それはそれはとても素晴らしい出来栄え。
自信を持つのも良いでしょう。
自慢にするのも良いでしょう。
しかし、みんなが見ているのは、垣根の外。
そう、外側。塀の外。箱の表面。
表情、行動、容姿、発言。
あなたという人間像を構築するのは、
あなたではなく、他人。
本当のあなたは、あなたの中なんかじゃなく、
他人の中にしか居ないんです。
言わば、あなたの人格は、
他人に囲まれることで成立しているのです。
それだけは、お忘れなく。
自分はやれば出来る、と思っていても、
あいつは出来ない奴、と周りから思われていたとしたら。
悲しいかなあなたは、出来ない人間でしかないのです。
focusとは?
箱庭円舞曲が、自身を構成する漢字一字を取り上げ、
焦点を絞って描く番外公演の形態。その第一弾となる
#1「箱」では、箱という形状、イメージ、用途などから
想起される人間の可笑しさと絶望を、細密に描く。