2000年9月、日本大学芸術学部演劇学科劇作コース在学中の古川貴義が主宰となって、同期や高校時代の後輩を中心に旗揚げ。同年12月旗揚げ公演を行う。以来、古川の作・演出の元に、年1、2回のペースで次々と作品を上演。
「シュールなリアリズム」を作風として掲げ、観劇後の日常にふとよぎるような作品を発表し続けている。
覗き見感覚で眺める舞台上の出来事は、ほんの少しズレた日常のように映るだろう。 しかし実は、あなたが笑って観ているそのズレ=シュールさが、自身にも当てはまる =リアルなものだと気付いたとき、怒りとも悲しみともつかない、行き場の無い、言葉に ならないやるせない感覚に引きずり込まれている。そのある種の絶望的な感覚は、確実に、 記憶の奥底に沈殿する。そして劇場というシュールな空間から離れて普段の生活に戻った とき、なにげない瞬間に、鮮明に立ち返ってくる。
そんなシュールでリアルな作品の中毒患者が、公演を重ねるごとに増殖中。
『シュール』・・・表現や発想が非日常的・超現実的であるさま
『リアリズム』・・・現実主義、写実主義
この相容れない筈の二つの要素を、作品世界の中に巧みに盛り込もうと画策。
人間は、常にこのシュールなリアリズムの中に生活している。自分以外の人間と触れる機会、すなわち社会において、人間はそれをリアルなものとして受け止める。それを自然なものとして扱い、他人と接している。
しかし当人の脳内では、口から出る言葉とは裏腹な感情、接している他人とは全く無関係な事象、あるいは特に何も考えていないというような思考展開が、往々にして起きている。故に、社会に於いて「一個人」と換算される僕らは、個別に見れば、他人と完全に理解し合うことなどはなから不可能な生き物であると言える。にもかかわらず僕らは、社会性の名の下に友人を作ったり、恋愛をしたり、集団に所属したりして生きている。そもそもが相容れなくて当然のはずなのに、誰かと接すること無くしては生活が成り立たないという矛盾を抱えているのだ。
この矛盾を抽出し、表現へと消化させる為に、敢えて矛盾した言葉「シュールなリアリズム」を用いている。
舞台設定、登場人物、台詞回しなど、外枠の部分はしっかりしたリアリズムとして構築し、個々のキャラクターの内面、相互コミュニケーションの偏り等をシュールなものとして提出する。あくまでリアルに、あくまでシュールに。それは時として笑いを生み出したり、常識をえぐり、内面に突き刺ささるようなシーンとなって現れる。
【劇団員】
古川貴義、白勢未生、鈴木ハルニ、林和義、依乃王里、嶋村亜華里
【過去上演作品一覧】
2021年1月 依乃王里、嶋村亜華里 加入
2020年12月 第二十七楽章『今はやることじゃない』@駅前劇場
2020年9月~ 育児休業終了
2019年10月 林和義 加入
2019年10月 鈴木ハルニ(ゲキバカ)加入
2018年10月~ 育児休業
2018年9月 第二十六楽章『父が燃えない』@浅草九劇
辻沢綾香 脱退
2018年2月 第二十五楽章『何しても不謹慎』@駅前劇場
2017年5月 第二十四楽章『インテリぶる世界』@ザ・スズナリ
2016年9月 第二十三楽章『あなただけ元気』@ザ・スズナリ
辻沢綾香、白勢未生 加入
2015年11月 第二十二楽章『もっと美人だった』@ザ・スズナリ
2015年2月 第二十一楽章『必要とされている、と思う病気』@駅前劇場 ※第25回下北沢演劇祭参加
2014年10月 uraniwa vol.l『古典よりは悲劇的な~厩火事/常時裏~』@SPACE雑遊
小野哲史、須貝英、爺隠才蔵、片桐はづき 脱退
2013年9月 第二十楽章『僕にしてみれば正義』@ザ・スズナリ
2013年2月 箱庭円舞曲 focus#3『円』@こまばアゴラ劇場
2012年11月 第十九楽章『否定されたくてする質問(再演)』@駅前劇場
井上裕朗、脱退
2012年5月 第十八楽章『どうしても地味』@駅前劇場(東京) in→dependent theatre 1st(大阪)
2012年3月 iakuプロデュース 箱庭円舞曲focus#2.5『庭』-itinerant mix-@中崎町common cafe
2011年11月 第十七楽章『いつも誰かのせいにする』@駅前劇場
2011年5月 第十六楽章『珍しい凡人』@駅前劇場 ※こりっち舞台芸術まつり2011春 グランプリ受賞
井上裕朗、片桐はづき 加入
2010年10月 第十五楽章『気付かない奴は最強』@駅前劇場
2010年4月 第十四楽章『とりあえず寝る女』@駅前劇場
2009年11月 focus#2『庭』@nakano f
2009年9月 第十三楽章『極めて美しいお世辞』@OFF・OFFシアター
2009年2月 第十二楽章『メガネに騙された』@OFF・OFFシアター ※第19回下北沢演劇祭参加作品
2008年7月 Interlude#5『空気読むの疲れた』@Studio Cai Art Space
2008年7月 第十一楽章『恋人ができないが、もういい』@OFF・OFFシアター
爺隠才蔵 加入
2008年2月 第十楽章『お前がダメな理由』@新宿サンモールスタジオ
須貝英 加入
2007年8月 ワールドサイエンスフィクションコンベンション SFドラマシアター参加作品『他人の気持ちがわかりません』@パシフィコ横浜
2007年7月 focus#1『箱』@渋谷 GALLELY le deco 5F
五十嵐幸司 脱退
2007年2月 第九楽章『大人なのにバカ』@新宿サンモールスタジオ
小野哲史 加入
2006年10月 第八楽章『実家に帰ります』@OFF・OFFシアター
2006年7月 Interlude#4『線路が無いんです』@新潟県上越市大島区仁上廃屋
井内勇希、鈴木朋美、増子直子 脱退
2006年5月 第七楽章『みんな私のことが好き』@OFF・OFFシアター
2005年12月 第六楽章『否定されたくてする質問』@阿佐ヶ谷シアターシャイン ※2005年シアターシャイン演劇奨励賞受賞
2005年8月 Interlude#3『土足で上がり込む一族』@新潟県上越市大島区仁上廃屋
2005年3月 第五楽章『君には、たぶん無理』@浅草橋アドリブ小劇場
2004年5月 第四楽章『俺の方が普通』@浅草橋アドリブ小劇場
2003年6月 Interlude#2『地図にしては完璧』@アイピット目白
2003年4月 コントライブイベント「GOD SIDE」出演@王子小劇場
2003年3月 第三楽章『手品かと思った』@浅草橋アドリブ小劇場
2002年8月 Interlude#1『とても良いメガネ』@アイピット目白
2001年12月 第二楽章『Farewell on the Wed,3:00 p.m.』@浅草橋アドリブ小劇場
五十嵐幸司 加入
2000年12月 第一楽章『AND ALL THAT JAZZ』@中野スタジオtwl
井内勇希、鈴木朋美、増子直子、山内翔 加入
2000年9月 箱庭円舞曲旗揚げ